各県には「県の木」が定められています。福井にも福井の木があるのですが、福井の皆さんは「福井の木って何ですか?」と問われたら、即座に答えられるでしょうか。思わず検索エンジン先生に頼ったりしませんか?
今回の記事は「あなたはまだ本当の福井を知らない」と題しまして、福井の木(県木)についてご紹介します。
福井のお土産やお酒についてはすらすら出てくるのに、福井の木についてはよくわからない。こんな人は、話のネタをぜひ仕入れて行ってください。
福井の木ってなに?
前回、福井の花である「水仙」を紹介しました。各都道府県には都道府県の花だけでなく、都道府県の木も定められているのです。東京都の木が銀杏なのは、知られているようで知られていない話かと思います。こんな感じで、福井にも福井を象徴する木があるのです。
福井を象徴する木は「松」
意外と有名な樹木が当てはめられているという印象ではないでしょうか。
松は日本を代表する樹木のひとつ。「おめでたい」といわれる植物のひとつでもあります。有名な草花が自県に選定されていると、ちょっと得意になってしまいますよね。
福井の木が選定された経緯
「郷土の花」として県花が選定された1953~1954年。次いで県の鳥が選定され、その次に県の木が選ばれました。県の花と同じNHKのプロジェクトの一環です。県の木が選定されたのは1966年になります。
県の木についても、国などが選定にある程度関わっていたといわれますが、福井自体が松を「松で」と強固にプッシュしたわけではないようです。松の岩浜でも砂浜でも育つ強靭さや質実剛健さ、それでいて素朴な美しさや控えめさがあるところが福井の印象と重なるということでの選定でした。
福井の冬と海辺に松。確かに、映えます。ぴったりですよね。
福井には松で有名な「気比の松原」もある
福井といえば松で有名な観光地もあります。そう、「気比の松原」です。気比の松原は、虹の松原や三保の松原と合わせて日本産大松原と呼ばれています。気比の松原が福井にあるため、福井には松という印象があったのかもしれません。
気比の松原は、もともと福井県の神社が管理していた土地でした。しかし、あの有名な織田信長が気比松原を没収。江戸時代になると小浜の藩有隣として管理されたのだそうです。
気比松原は赤松と黒松が入り混じる景勝地。日本を代表する松原だからこそ、はやり福井には松の印象があるのかもしれないですね。
松の花ことばや逸話
松は木ですが、花ことばが設定されています。
松の花ことばは「不老長寿」「哀れみ」「同情」。松は常緑の木なので、不老長寿と関連付けられる他、永遠などとも関係のある木なのだとか。他には、緑を保っている姿から「若さ」とも。
お正月に飾る門松も松。縁起の良い植物や、神の宿る植物でもあるといわれています。松といえばやはりお正月という印象がありますよね。天女伝説などにも松が登場しますので、神秘的かつミステリアスという印象もあるかもしれません。
しかし、日本では縁起物のはずの松も、海外では印象を変えることがあります。
初の花ことばである「哀れみ」「同情」。そもそも、縁起物や神の宿る木である松にどうしてこのような花ことばが当てはめられているのでしょう。ちょっと不思議ですね。
松に「哀れみ」「同情」があるのは、海外の女神の片思いの逸話に関連付けられるからといわれます。
あるところにアティスという美青年がおりました。女神キュベレはアティスを愛しましたが、アティスの里親は彼を女神ではなく別の国の王女と恋人にしようとします。
やがて死んだアティスは不変なもの(常緑樹)に生まれ変わったと伝えられます。女神とアティスの逸話はもっと複雑なのですが、これが大筋です。哀しみにくれた女神や、女神に同情した周囲の神々から、「哀れみ」や「同情」に繋がったのだとか。
水仙も一人の男性が花に転生しました。松も一人の青年が転生した植物と考えれば、福井は転生系の植物の縁があるのかもしれませんね。
福井県民が意外と知らない福井ネタとして県木について取り上げました。
今後も意外と知られていないネタを取り上げたいと思います。
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