知っているようで知らない福井県の妖怪話

SNSで広まった疫病退散の妖怪「アマビエ」皆さんご存知ですか?

兵庫県の神社では、アマビエを描いた護符を配布しているのだとか。砂かけババアやねずみ男などの妖怪と比較すると、知名度があるとはいえない妖怪でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりすっかり知名度アップしたしたね。

風が吹くと桶屋が儲かる・・・ではないですが、感染拡大で妖怪の知名度が上がるのは何だか不思議ですね。

さて、今回の記事では妖怪つながりで「福井県の妖怪話」にスポットをあててみたいと思います!w


びしゃがつく(ビシャガツク)

出典:べとべとさん(Wikipedia)

福井県坂井市に伝わる妖怪です。冬のみぞれが降る中を歩いていると、背後から音がする。びしゃ。びしゃ。びしゃ。

振り返っても、誰もいない。また歩き出すと、姿のない何かが、びしゃ、びしゃ、びしゃ、と音を立ててつけてくる。

振り返るとやっぱり誰もいない。みぞれの降る夜に現れる音だけの妖怪、それが「びしゃがつく」です。

日本の妖怪に「べとべとさん」という妖怪がいます。
夜に歩いていると、後ろをつけてくる足音だけの妖怪です。人間に危害を加えることはないといわれていますが、夜道に後ろから足音が聞こえたら不気味ですよね。

びしゃがつくはこのべとべとさんの福井県版だといわれます。

べとべとさんの方は奈良県や静岡県に伝わる妖怪です。べとべとさんの場合は「べとべとさん、お先にお起こし」「お先にどうぞ」などの言葉をかけると、足音は離れて行くのだとか。妖怪博士の水木しげる先生の地元には、このべとべとさんを愛称にした駅があります。

福井県版のべとべとさんともいえる「びしゃがつく」の場合、「お先にどうぞ」で離れてくれるかは謎です。ネットや書籍などで調べてみましたが、記述が見当たりませんでした。

冬の夜に福井県の道を歩くときはご注意を・・・。

あっぽっしゃ

出典:福井市|越廼地区の「行事・祭事・風物」

妖怪です。・・・と言い切ってしまうと、御幣があるかもしれません。

「あっぽっしゃ」は妖怪にカテゴライズされることもありますが、伝統行事の神にカテゴライズされることもあるからです。
一部地域の方には、すでにお馴染みの存在だと思いますが、あっぽっしゃ祭りの「あっぽっしゃ」になります。

あっぽっしゃ祭りは「あっぽっしゃ、あっぽっしゃ」と鬼のような恰好をした人たちが練り歩くお祭りです。「あっぽっしゃ」は「餅が欲しい」の意。
福井県の沿岸にやって来た渡来人が食料を求めたことに由来しているといわれます。

似たような行事や、あっぽっしゃと同じような存在は日本海側の各地にありますよね。

石川県や新潟県の「あまみはぎ」や、秋田県の「なまはげ」。秋田県のなまはげなどはよく人食い鬼と勘違いされて使われますが、れっきとした神(来訪神)です。

福井県のあっぽっしゃを妖怪に分類するのは失礼なのかもしれません。ですが、人知を超えたものが妖怪なら、このカテゴライズも間違いではないのかもしれませんね。

守宮(井守、いもり)

出典:守宮(Wikipedia)

守宮と書いて「いもり」です。妖怪博士の水木しげる先生の本では「井守」という名前で紹介されています。

姿かたちは爬虫類のヤモリにそっくりで、集団で現れる妖怪として記録に残っています。
イモリという名前ですが、爬虫類のヤモリ。ちょっと混乱しそうですね。

福井県南条郡南越前町で僧が書を読んでいると、12㎝前後の小人が現れて話しかけてくる。
しかし、僧をやっていると怖いことや奇妙なことにも慣れていますから「物の怪か何かだろう」と思って無視していると、小人が「失礼だぞ」と怒ってしまう。

そしてわらわらと他の小人も出てきて、僧の周りを取り囲み、無礼を責めて襲いかかってくる。

僧はびっくりして村まで逃げ出す。

僧が村人に奇妙な小人の話をすると、村人たちからは「それは井戸に住み着いた武士の霊に違いない」というので指定された井戸に足を運んでみる。

井戸には無数の守宮(見た目はヤモリ)が張りついている。僧が経を読むと守宮たちは死に、村人と僧で守宮の亡骸を供養する。

以上のような話が伝わっています。戦で死んだ武士の霊が爬虫類のヤモリや小人の姿になって出てきたという話です。

和尚魚(おしょううお)

出典:和尚魚(Wikipedia)

福井県や京都府などに伝わる妖怪話です。

漁や波辺では、たびたび人間の頭を持った大きな亀が発見されたそうです。
人間の頭は男のもので、髪がなくつるりとしています。和尚さんのような頭を持っているから和尚魚。有名な妖怪である海坊主などの一種ではないかといわれています。

この和尚魚は祟るので、見かけた際や漁で引っかかった際は、酒を飲ませて放してやるのだとか。

漁師が和尚魚を捕まえたときに殺そうとすると泣きながら命乞いするので、「祟らないように」と申し添えて解放したという逸話が伝わっています。

一時期ブームになった人面魚の亀版みたいな妖怪ですね。

この和尚魚は、福井の波辺や近海に迷い込んだ海亀だったのではないかという説があります。

海亀はしょっちゅう漁にかかるものでもありませんし、浜辺で常時見られる生物でもありません。
たまたまやってきた海亀を見て福井の人たちがびっくりして「あの謎生物は何だ!」から、妖怪のひとつとして伝わったのではないかといわれています。

和尚魚の体調は1.5m程度とのことなので、本当にちょっと大きめの海亀だったのかもしれないですね。

最後に

福井県の妖怪話についてご紹介しました。

アマビエ&甘エビとの妖怪つながりですが、こうして調べてみるといろいろと面白い話が転がっていて、新しい発見がありますね。福井県といえば八尾比丘尼伝説もあるので、そちらについては今後別の記事で詳しくご紹介できたらなと思います。

他県の人と話すとき、こうしたちょっとした話を添えるだけで、福井の魅力がさらに伝わるかもしれませんね。

この記事をシェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です