日本の伝統工芸の中には石を使ったものも少なくありません。「若狭めのう細工」も石を使った伝統工芸品のひとつです。
石を使った伝統工芸品・・・と言ってしまえば日本中あちこちにありそうですが、若狭めのう細工は一味違います。何と日本の石細工のルーツのひとつといわれているのです。
今回の記事では「若狭のめのうか。知っている」という福井県民もリスペクトしたい、歴史と面白いルーツを持つ若狭めのう細工についてご紹介します。
福井の伝統工芸品「若狭めのう細工」とは?
若狭めのう細工とは「瑪瑙(めのう)」を使った福井県を代表する伝統工芸品です。めのうで作った杯や動物など、主に置物や縁起物が主流でしょうか。
めのうを彫刻していろいろな品を作るのが「若狭めのう細工」です。
若狭めのう細工の特徴
若狭めのう細工の特徴は3つあります。ひとつは「色」、もうひとつは「熟達の技」です。3つ目は「歴史とルーツ」になります。
歴史とルーツについては次の見出しで詳しく説明しますので、ここでは若狭めのう細工のふたつの特徴について説明します。
若狭めのう細工のひとつ目の特徴は色です。めのうといえば茶色や赤、白などいろいろな色が混ざっている印象がありませんか。
実はめのうは高熱により色が変化するという特徴があります。若狭めのう細工は200~300度で焼き上げ、鮮やかな色合いに仕上げています。おめでたい赤や柔らかな橙色など、暖色系の色合いが実に鮮やかです。めのうに熱を入れて色鮮やかに仕上げるところが、若狭めのう細工の第一の特徴になります。
ふたつ目の特徴は職人の熟達の技です。
小さな動物や滑らかな杯として仕上げるためには職人の熟達の技を要します。技を磨き上げるためには厳しい修業がつきもの。若狭めのう細工は熟達の技がぎゅっと凝縮した工芸品なのです。
若狭めのう細工のルーツ・歴史
若狭めのう細工の3つ目の特徴はルーツと歴史です。
若狭めのう細工は日本の石の伝統工芸品のルーツのひとつではないかともいわれています。古い歴史と面白いルーツがあるからです。
若狭めのう細工のルーツは奈良時代に遡ります。現在の福井県小浜市のあたりは昔から神社が多く、信仰にまつわる品が作られていたのだとか。
若狭の地には鰐族(わにぞく)という玉を信仰する一族が住み着き、めのうなどでそれこそ玉を作り出しました。やがて鰐族は神社前に多く住み、さかんにめのうなどの加工品を作るようになったのだとか。神社の前は石・玉の加工をする鰐族が多く住んでいたことから鰐街道(わにかいどう)と呼ばれていたそうです。
この鰐族の人たちが作っていた加工品が若狭めのう細工の起源だといわれています。歴史は奈良時代に遡るわけですから相当古いことがわかりますね。日本国内の石の加工品の中でも歴史が古いため、貴石加工のルーツ・原点のひとつだといわれています。
江戸時代中期になって「熱を入れることでめのうを鮮やかな色にする」という新しい技術が確立され、19世紀頃になると工芸彫刻の技術も発展したそうです。後、昭和51年に国の伝統工芸品に指定されました。
若狭めのう細工は縁起物!ネットで買える
若狭めのう細工はインターネットでも購入可能です。楽天などでも取り扱いがありますよ。色も含めて縁起物としても人気がありますので、ちょっとしたギフトにいいですね。
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小浜市にある「若狭工房」では、若狭めのう細工の体験教室なども実施されています。
新型コロナが沈静化したらお子さんの思い出作りとして若狭めのう細工などを作ってみても面白いかもしれません。
歴史の古い福井の伝統工芸品「若狭めのう細工」。
福井県内の人もリスペクトしたい細工物についてご紹介しました。
今回、ブログ内で紹介させていただいている画像は、若狭工房様のサイトに掲載されているものを引用させていただいております。
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