小浜の「若狭塗箸」とは?米大統領にも贈呈した伝統工芸の箸を紹介

福井はお米や魚介類、野菜など食の豊富な県ですが、食に欠かすことのできない「箸(はし)」でも有名なことをご存じでしょうか。

福井県の小浜市には日本でも有数のシェアを誇り、海外の有名人にも贈呈された伝統工芸の塗り箸があるのです。

福井県小浜市の伝統工芸である「若狭塗箸」についてご紹介します。

福井県小浜市の「若狭塗箸」とは?

若狭塗箸とは若狭塗の伝統技法を使って作られる塗り箸のことです。

若狭塗とは、福井県小浜市とその周辺で作られる漆器になります。若狭のあたりは海に親しみのある地域。海辺の情景や海底の情景を塗り物で表現しようとした江戸時代の職人がはじまりだったと言われます。当時の中国の塗り物の技術なども取り入れて、福島の景色を塗り物の中に再現しようとしたのだとか。

若狭塗では松の葉や卵の殻、貝殻などを使って模様を作り、そこに漆を塗り重ねて紋様を作ります。また、漆を塗り重ねた後に研ぐという研ぎ出し技法を使っているのが特徴です。

技法や作り、素材により、若狭塗は熱にも水にも強く、塗り重ねにより強靭で、紋様も美しいのが若狭塗の特徴です。そのため、若狭塗の中でも箸は国内シャアの大部分を占めるほどになりました。

なお、若狭塗はひとりの職人が最初から最後まで作業にあたります。そのため、1品1品に職人の個性が出るといわれています。これも若狭塗箸の面白さだといわれているのです。

若狭塗箸は海底のように美しい細工と普段使いできることが特徴

若狭塗箸の特徴は何と言っても美しい細工です。

若狭塗箸は若狭湾の海の情景を描いています。夢のような海の底の景色を丹念に描いています。箸は日常に欠かすことのできないものだからこそ、キレイな柄があると嬉しいですよね。また、若狭塗箸は箸の先端が鶴のくちばしのようにとがっているため、縁起物だとも言われます。

若狭塗箸だけではありませんが、若狭塗の品物の特徴として「普段使いできること」も特徴です。

漆塗などはお椀が多いという印象がないでしょうか。また、漆塗などは高価な印象があるのではないでしょうか。

若狭塗は古くから庶民の間で親しまれてきたため、値の張るお椀類はあまり作られていないのです。庶民が買いやすく使いやすい、箸などの普段使いできる日用品を多く作っているところが特徴になります。

若狭のあたりでは昔から「庶民も使える工芸品」として若狭塗を手厚く保護していたそうです。だからこそ今日の若狭塗、若狭塗箸になったわけですね。

若狭塗箸はアメリカ大統領にも贈呈された

若狭塗箸は庶民の普段使いの品でもありますが、ゲストへのプレゼントにもよく使われています。

小浜は「オバマ」という名前と通じるところから、アメリカ大統領のバラク・オバマ氏にプレゼントされたこともありました。また、贈答というわけではありませんが、長崎に「鳴滝塾」を開いたことで知られるシーボルトも普段使いの箸として若狭塗箸を愛したということです。

歴史に名を残す人たちも若狭塗箸を愛用していたということですね。

若狭塗箸は楽天などの通販サイトで購入可能です。

小浜市には「箸のふるさと館 WAKASA」があります。

こちらでも若狭塗箸を購入できる他、実際に若狭塗箸を作成する体験教室なども行っています。

若狭塗り箸の体験教室の所要時間は10分ほど。人工パールや天然パールを使った自分だけ、そして世界のひとつだけの若狭塗箸を作ることができる教室です。料金も500~700円ですから、親子で気軽に参加できそうなところもいいですね。

まとめ

今回は福井の伝統工芸品のひとつ、若狭塗箸について紹介しました。

日常使いできる品ですので、ぜひ食卓に使ってみてはいかがでしょう。ご飯がより一層美味しく感じられますよ!

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