11月も半分過ぎて町には落ち葉が目立ち、秋ももう終わりですね。冬の到来による寒さや雪よりも、「シャンシャンシャン」と12月にトナカイと共に迫ってくるベルの音に怯えているたんぱくです。
さて、○○の秋とはいいますが、皆さんは何か秋らしいことはされましたでしょうか?
自分は読書の秋ということで本をよく読んでいたんですが、その中で、福井県出身者が書いた漫画で面白いな~と思ったものをまとめてみました。
ネムルバカ
大学の寮を共にしている、バンド活動に打ち込む鯨井ルカと、これといって打ち込むものがなく先輩であるルカを羨望のまなざしで見ている入巣柚実。そんな二人の大学生日常系ストーリー作品。
「やりたいことをやって壁にぶつかってる人間」と「そもそもやりたいことが見つからずぬるま湯につかっている人間」が主体の目線で、「金欠」「恋愛」「夢」などのキーワードを元に大学生活独特の空気感がうまく書かれています。
・やりたいことのある人とやりたいことがない人の間に「何かしたいけど何が出来るのか分からない人」ってカテゴリーがあって8割方そこに属してると思う。
・先輩は外の世界と歯車が噛み合って動いてる感じ私のはどうやったら回るんだろ。
・このヒト…自分のことドラマの主人公とでも思ってるんだろーな。
などの独特の表現がおもしろく、そんな中でも
~駄サイクル~
自称アーティストが何人か集まって、見る→ホメる→作る→ホメられる→見る→ホメるを繰り返していて、身内の輪の中で需要と供給が成立してしまっている。
という表現には何かしら考えさせられるところがありました。個人的にいろんな物事を自己完結しすぎているなと・・・・・
世の中に漫画の数はごまんとありますが、個人的に1冊で完結している漫画の中で1番きれいに仕上がっていておもしろいと思います。なので「最近新しい漫画読んでいないな・・・・・」と思っている方にはサクッと読めるので非常におすすめです。
作者は石黒正数さん福井高等学校まで福井県で過ごしていたそうです。
それでも町は廻っている
ネムルバカと同じ石黒正数さんの出世作で、2006年から今年までヤングキングコミックスにて10年に及び長期連載されていました。先月の10月にフィナーレを迎え、最終巻16巻は2017年4月発売予定となっています。石黒先生お疲れさまでした。
推理小説が大好きで元気でドジっ娘な高校生、嵐山歩鳥が、八百屋さんや魚屋さんが並ぶ昔ながらの商店街を舞台に、メイド喫茶の体をなしていないおばあちゃんの営む昔ながらの喫茶店シーサイドでバイトしながらドタバタほっこりの日常を過ごす、ほのぼの系ギャグ漫画。
ただ侮ることなかれ、表紙や設定からはどこか「オタク系」「萌え系」の雰囲気がしますが、内容はギャグだけでなくミステリー的な内容やSFチックな内容も多く、藤子・F・不二雄的な世界観がメインだと感じれます。
あと、主人公の実家が福井県(作中では北陸の・・・とぼかしてますが)なんですが、漫画で福井弁を表現するとこんな感じになるのかと、福井県民なら頬が緩みます。
また、アニメの出来も非常によく(シャフト作品)漫画だけでは味わえない面白さがあります。
特に、最終話は秀逸、自分がおばあちゃん子ということもあり久しぶりに映像作品で涙しました。おばあちゃん子なら蛍の墓なみに涙できる回だと断言できます。
あとオープニングもおすすめです。
サンクチュアリ
経済的な繁栄を謳歌しながらも、閉塞感漂う日本の現状に疑問を持った北条彰と浅見千秋が、ヤクザと政治家に分かれ、社会の表と裏から社会を変革する事を目指す物語、全12巻。
原作は「北斗の拳」の武論尊(史村翔)さんで作画が福井県出身の池上遼一さん。
(池上さんの絵は上記のボルガライスのもので目にする人も多いのではないのでしょうか。)
この作品ほど「熱い」かつ、ジョジョの奇妙な冒険なみに「じゃんけん」に重要性が置かれている漫画はないです。
衣・食・住、が満たされている日本、そんな中で生まれる「充実感の物足りなさ」それが表面化して様々な社会問題も増えている昨今。
そんなもやもやを痛快、かつ現実的にどうにかしようとする主人公2人を見ていると、どんな環境の人でも何かしら感じれるはずです。主人公だけでなく登場人物各々のキャラがちゃんと立っていて、自己投影を非常にしやすい。
人生もうだめだ・・・・・と思っている人がいたら、これを読めば下手な自己啓発本よりよっぽど1歩踏み出せると思います。
ただ気軽にじゃんけんできなくなります。
GA 芸術科アートデザインクラス
とある学校の芸術科クラスに通う5人の女の子が、デッサンしたり、粘土をこねたりしたりしながらの学生生活を描いた4コマ漫画。
自分が科学技術高等学校という高校に通っていて、そこに1クラス「テキスタイルデザイン科」という女の子ばかりのクラスがあったんですが、「へ~こんなこと学んでたのか~」と親近感を持って読んでいました。
アニメ化もされているので、そちらもおすすめです。
ビックリする偶然
実は「GA」も「それ町」同様、今年の2月をもって10年の長期連載に幕を閉じました。
作家のきゆづき さとこさんは福井高等学校デザイン科出身・・・・・
あれ?
それ町の石黒正数さんも福井高等学校デザイン科出身?
あれ?
同じ福井県出身で。
高校と学科が同じ(福井高等学校デザイン科)
しかも、連載年数も同じ(10年)で
しかも、しかも両作品ともアニメ化もされていて
しかも、しかも、しかも最終回の年数が同じ(2016年)
こんな偶然あるんですね・・・・・びっくりしました。
何はともあれ連載お疲れさまでした!また次回作楽しみにしています!
ちなみに、この秋に自分は読まなかったのですが。
「I”sアイズ」や「ZETMAN」で有名な桂 正和さんも福井県出身です(小学生までは在福)。
ただ、1人ぼっちのクリスマス前に「I”sアイズ」を読み返す勇気は自分にはありませんでした。青春の甘酸っぱさに精神が溶かされるのが目に見えていたので・・・・・クリスマス終わったら読ませていただこうと思います。
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